吉川英治文学賞

 第39回の受賞者が決まったそうだが。北原亞以子さんの「夜の明けるまで」だすか。よく知らないのでスルーということにして、新人賞の方。

 恩田陸さんが受賞されたのはめでたいな、と思うわけだが。あのー、何故に新人賞? 1992年デビューの筈なんですが。不思議なり。

 文庫版「続巷説百物語」の解説を書かれてるとですか。読んだけど買うかな、京極だし。でも900円もするのか、いつもながら劇高だよなっちゃん。

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思わずレビュー書いちゃったよ

 こんなの見ちゃったらさ。

 先ほどAmazonにポストしたレビュー。

レビュアー: Giraud   西日本

パッと目の前が明るくなりました。
つクりものでない生きた言葉が
かざリ気なく一面に広がっています。
全編が女性らしさに溢れており、
沈んだ心が晴れ、私も前向きになれました。

 私の心から溢れて仕方の無いこの感動がお分かり頂けるか。

 なっちマンセー!

11/30 19:45 追記:Amazonにちゃんと載ってました。わーい。

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[書評以前] ニッポン経営者列伝 嗚呼、香ばしき人々

 現代の吉田兼好が書き記す人物評。ちなみに著者をやんちゃさで捉えるならドグラ星の第一王子

 この著者の立ち位置が普通有り得ない。

本書では、私の得意とする市場から見た企業、経営者の評価を基準に、もし私の上司がこの経営者だったらという視点から、多くの起業家、経営者を取り上げている。

その属性を備えた方はそう居ませんて。この多面的かつ独自の視座から繰り出される軽妙な月旦評。お好きな人には堪らない。取り上げられた人も堪らない。お陰で単行本化の際に削られたものがあるらしい。全然分からないが。そして文章をもり立てる金子ナンペイ氏の肖像画。まさにシナジィィィィィッ!

 気を鎮め、すこし抜粋。ファーストリテイリング会長の件。

歴戦の勇者である糸井重里氏の破壊的なヨイショパワーには抗いきれずに『個人的なユニクロ主義』(朝日出版社)なる見事なヨイショ本を出され、柳井氏の密着取材を通して糸井重里氏がいかにしてユニクロの新規事業プロモーション利権を手中に収めたかが克明に記載されています。今すぐ古本屋へ急げ。
只今アマゾンで269円で御座います。強調は例の如く私の手に拠るもの故あしからず。全く関係無い話だけど、金持ちになると文化ゴロがたかってくるらしいです。元コピーライターとか元作曲家とかが。大変ですね。

 さて、何故私が著者を吉田兼好になぞらえるか。隠居と自称しているのもあるが、生活基盤の類似性とそのスタンス。荘園生活者と(投資による)資産家。直接手綱を持たれているものが無い故の言行の一貫性。吉田兼好もラブレターの代筆をしてたとか云うし。それはゴーストといふものでわ。こちらを読んでさらにその思いは強まる。

 気質的には信長っぽいらしい。どちらかと云えば徹底加減が足利義教でルックスが光秀かと。まあ性格が信長だったら全部そうなると云うわけではないからね。小人閑居して不善を成すと謂うが、この大人のやんちゃ加減を見るに、頭が閑居して遊びまくってるようだ。その生活でまだ上のギアがあるのかよ。

 で、ここからは極めて私的な希望になるのだが、是非見てみたい組み合わせがある。もう一人存在する在野の賢人とガチな対談を。我が尊敬する超絶の才人である明石先生。明石先生は信長も義教も大好きらしいですし。互いにトップスピード近くで会話できるかと。幸い、両者共に共通の知人であるKQZ師がいらっしゃるようなので、その方を介して是非対談を。懸念としては誰も付いていけない可能性とオープンにできない話ばかりになる可能性か。

追記:隊長がミス慶應コンテストでサラ女史をプッシュされてるが、この本に書いてある様に思い入れ強く投資した場合、凄い勢いの損失を上げている所をみると、コンテストの件も禿しく外しそう。

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[書評以前] 蟲師 第五巻

そりゃあ たいそう悪い 冗談だ
 まさに待望の、と言えよう、漆原友紀氏の蟲師 第五巻。今度紡がれし妖精譚は沖つ宮、眼福眼禍、山抱く衣、篝野行、暁の蛇の五つ。それらのうち、個人的に強く印象に残るのは沖つ宮だ。

 或る小島を訪れたギンコ、"生みなおし"の噂を確かめる為に。小島の近くには、竜宮と呼ばれる海淵があり、その海淵で命を落とすと、もう一度赤子として生まれてくることができるという、全く同じ姿で。ギンコが宿を借りた家に住む澪の娘イサナも、澪の母であるマナの"生みなおし"だと。どうやら竜宮に住う蟲の営みがもたらすもののようだ。人を胚の状態へと戻す、いわばその人の生きた時間を喰らう蟲。

失った
愛しい者を
取り戻せる島
望めば永久に
別れずにすむ島……
ならば  ここは
まさしく楽土だ
……だが――
 澪は悩む。娘が娘と思えないと。満月の夜にアクシデントが起こり、ギンコは竜宮に引きずり込まれる。死を覚悟したギンコの脳裏に巡る思い。
……このまま
こいつに喰われれば
俺も 胚にまで
戻してくれるのだろうか
全てが始まる その前まで
……ああ
そりゃあ
たいそう悪い
冗談だ
 助かったギンコは、ただ、その島を去っていく。そして、生みなおしを是としないイサナに、澪は微笑む。
母さんと おんなじだ
さすが あんたは
あたしの 子だ――――
 この島ではこれからも"生みなおし"は続けられていく。"生みなおし"を選ぶもの、選ばないものが共存しながら――


 いずれ訪れるよく似た世界。私はギンコの立場に共感する。

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間もなく発刊

 言わずと知れた電車男。多分買わんが。

 この件に関する疑問を言いそびれてるのでこの際に少し。

電車男サイド
○何故そうもあっさり趣味を切り捨てられる。それでオタクを名乗るか。

エルメスサイド
○ベノア(専門ブランド)の紅茶とエルメス(多品目ブランド)のカップの組み合わせに違和感が。

これがフォション/フォートナム&メイソンの紅茶とエルメスのカップ
(多品目ブランド × 多品目ブランド)
若しくは、ベノアの紅茶とウェッジウッド/マイセンのカップ
(専門ブランド × 専門ブランド)
などの組み合わせだったら違和感が無かったんだが。

贈り物だから、という可能性もあるんで強くは言えないが。

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[書評以前] フィラメント〜漆原友紀作品集〜

 あわい(間)の——

そう枕詞をつけて呼んでみたくなる蟲師で名高い漆原友紀の作品集である。

 そこでは、移ろうものと変わらぬものの話が静かに流れていく。生命と鉱物、少年の成長、そして人の生と死。変わり続ける私達と私達の側に居てくれて変わらぬもの、との共鳴がそこにある。どちらかがどちらかに対して押し付けたりすることは無く。
 これは現在アフタヌーンで連載中の蟲師にも引き継がれ、

それぞれが ただ あるがままに
と囁かれている。こちらは、最新刊が来月後半にでるので、その際に。

 絵柄は、今の方が好みだが、こちらも作風に馴染んでいて、悪く無い。

 収録されているどの作品も味わい深いが、最後に一つだけ。青年と、従兄弟の少年の話より。家庭の事情で塞ぎ込む少年のそばに青年が向かう。そこでの会話は読んで頂くとして、その背景で流れる詩がある。

かつて
世界がぼくたちの

知り得る限りが
全てだった頃——

世界は
自分の王国だった

自分には
どうしようもない事や

決して叶わない事が
ある事を
思い知ったのは
いつ頃だったか

それでも
歩き出したんだ

そう思わせてくれる
大好きな人達がいた

君にもそれが
いるように——

大丈夫

世界が肥大で
目がくらんだ時は


僕らがちゃんと
そばにいるよ

雪の冠〜white kingdom〜


 そして少年は立ち上がり、再び歩き始める。

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[書評以前]『投資情報のカラクリ』

 大人の事情で増刷時には内容が若干変わるということで買って来た。噂通りステキな臭い付き。

 内容に入る前に。

 私は以前競馬をやっていたのだが(現在休止中)、予想屋の存在が興味深いものだった。誰でも感じることだと思うが、確実に儲かるのなら、自分で買うだろうと。概ね確実ではないと云うことだが、仮に必勝のセオリーをその予想屋が持っていたとして、それを全て教えることは有り得ない。ギャンブルや投資は、当たりに放り込む奴が増えると自分の配当が下がるものだから。
 だから信用できる予想屋がいるとしたら、自分が実際に儲けている上、そのセオリーと云うかノウハウと云うかを概略(若しくは部分)しか話さない人間だ。

 で、この本。結論から言えばそういう意味で信用できる。まえがきとあとがきで概略の概略を述べ、本編で具体例をあげつらう。恐らくこれは基本のキ、なのだろう。後は我々次第ということか。Blogに親しんでいるものなら文体も慣れており、吹き出すこともしばしば。実際買う前に立ち読みしていて何度か吹いたわさ。

 具体的な内容は読んで頂くとして、グラフとそのコメントも秀逸。お陰で余白が多くスカスカだと言う声もあるが、さっさと読めるので良い。休日に読めば一日で読み終わるだろう。前述の理由により電車内で読むのはお薦めしない。ビールを飲みながらも悪くは無いが、同じく前述の理由により交互に行うことを薦める。ビール以外の酒を飲みながら読むことは大日本ビール党準党員である私には推奨できない。


 この本やBlogを眺めていて感じることがある。うまく云えないが隊長は闇を見てしまった人だろうなと。それは恐らく望んだわけではなく、才気故に視えてしまったのだろうが。その時折見せる透き通った眼差しにそう思う。故にこんな言葉も出るのだろう。

こんなくだらない人生でも、やはり世間はたまに面白い。
仕事をすること、人生を楽しむこと、つまり生きていくことそのものに意義がある。
まえがきより

 あんたは高杉晋作か。泣きかけたぞホントに。こちとら最近目から汗が出やすくなっているんだから。


 最後に阿呆なことを吠えて締めよう。
隊長よ、21世紀のケインズになってくれと。資質は備えているはずだ。

 ケインズはこの程度しか知らないんだけどね。

投資情報のカラクリ

追記:9/21、メモの方にバイオベンチャー関連でなぜダメなのかの理由を少し。気が向けば御覧下さいな。


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あれ?

切込隊長の新刊『投資情報のカラクリ』がいよいよ出る。

出版元のビジスタの紹介文

31歳、会社経営者にして巨額投資家。童貞にしてIQ 190。
ネット界のカリスマが、アニメ業界、M&A話、中国投資、バイオベンチャー、不動産証券、消費者金融業界の甘い誘惑をぶった斬る!

アマゾンの紹介文

31歳。会社経営者にして、巨額投資家、IQ190以上。ネット界のカリスマ切込隊長@山本一郎が、投資家の間で成長市場のキーワードとされているアニメ、中国関連、不動産投資信託、バイオテクノロジー、M&A関連などの幻想をたたき斬らせていただきます! 業界裏話も大暴露。すべての投資家に知ってほしい真実の投資情報を、独得の文体でオモシロおかしくお伝えします。

おい、アマゾン。童貞が抜けとるぞゴルァ。

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読書感想文

読書感想文50年 本を読んで楽しい夏に(毎日新聞社)

だそうで。嫌いじゃないんだけどな。

あれは小学校三年だったか、四年だったか。2学期になって初めの日、担任の先生に読書感想文を提出した。軽く下書きして、そんな時間もかけずに書いた記憶が。
課題図書の中には読みたい本がなかった(=つまらなかった)ので別の本を選んで。宿題を提出して終わり、と思っていた数日後。
担任が家庭訪問週間でもないのに我が家へ。何でも僕の感想文を選んで出すことにしたからと。
はい、どうぞと言うと先生が提出した感想文を取り出す。赤ペンで真っ赤に添削してあるのを僕に見せてまくしたてる。
ここはこうした方がいいと思うんですよ、とか言っていたんだろうな、全く覚えてないけど。よく分からないまま添削されたのを清書しなおして再提出。
今ならその原稿をスキャンして晒すとか思うが、その頃の僕は何も考えず素直に清書。褒められたかどうかさえ覚えていない。


一月くらい後、コンクールの結果で落ちたことを知らされる。感慨無し。
それよりもその時に先生の言った、

「やっぱり課題図書じゃないと駄目なんですね。」

との言葉だけがいまだに頭にこびりついている。何を読んだかすら覚えていないというのに。

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第131回芥川賞、直木賞

決まりました。
芥川賞
 モブ・ノリオ 介護入門
直木賞
 奥田英朗 空中ブランコ
 熊谷達也 邂逅の森

おめでとうございます。

前回に比べて地味な気が。
やっぱり東野圭吾はノミネートされただけなのね。W氏の怨念が続いているのかな。
乱Dはどうでもいいや。

選考委員のコメントが楽しみ楽しみ。

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