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経過した十年、止まった時間

 あの地震からそんなに経つのか。

 当時修士の学生だった僕は、偶々大阪市内の実家に帰って寝ていた。いつに無く早く目が覚めたものの、布団の中でごろごろしていると、ありえない揺れが。

 凄い勢いで飛び起きて、布団のそばの本棚と柱の間に立って支える僕。ほぼ同時に飛び起きた父親がこれもまた凄い勢いで玄関のドアを開け放ちに行ってた。閉じ込められないようにとの配慮だったらしい。で、我がママンはー

 謎の言葉を吐きながら地面を泳いでました、揺れが終わるまで。いったい貴方はそこで何をやってますか。

 と、震源から離れていたため、無事だったわけだが。

 大学の近所に下宿していた後輩の子が一人、無くなった。古い木造の一階に住んでいたため、建物が倒壊し、つうかへしゃげて一瞬で。

 それを教えてもらったのはその日の夜だったか。

 何故あの子が死ななきゃいけない。そして何故僕は生きている。人柄などで云えば、僕よりあっちの方が断然いいに決まっている、神の愛でしものは夭逝すか。ふざけんな。
 
 そのときの感情の欠片は、今でもあの時のまま、僕の中にあるようだ。

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