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右巻きはライフサイエンスに弱いのかという疑問

 何故読賣はこうもライフサイエンスに弱いですかと小一時間(ry

 タイトルからして大暴投。つかみとしては最高峰。「RNA注射でコレステロール減少、米独がマウス実験」分かっている人間ならば、こう書くはず。

特殊なRNA注射でコレステロール減少、米独がマウス実験
RNA干渉法でコレステロール減少、米独がマウス実験
 と。字数制限が問題ではないのがお解り頂けますね。そして止せばいいのに記事はこう始まる。
 RNA(リボ核酸)を静脈注射することで、血中のコレステロールを減らすことにドイツと米国の研究チームが成功した。
 RNAを利用して病気を治療する試みは世界中で研究が進められているが、この方法を使えば、今後様々な病気の治療に生かすことができそうだ。
 笑いとしては畳み掛ける丁寧さがイカス。何か、健康食品で売ってるRNAを飲んでも病気に効くような表現だ。この後の文(多分配信されたものと殆ど同じ)はそれなりに正確に書かれているのだが。

 ちなみに、コレステロール値を上昇させるタンパク質の生成を抑える働きをする特殊な構造のRNAを静脈注射すると、結果として血中コレステロール値が下がった、という話。この方法は「RNA干渉法」と呼ばれ、病気の原因となる遺伝子をねらい撃ちで抑えることが可能なので、様々な病気の治療に使えるんじゃないか、と期待されている、っと。

 下の二つのパラグラフはまあ、そのままで良いんじゃないか。重要なのは最後のパラグラフだけだが。RNA干渉法*ってのはいずれノーベル賞を取るし、今ベンチャーがそれをネタにしまくってるからメモっとくのも吉でございます。

 まあ、読賣の記事はオリジナリティを出そうとして、蛇に足を書き足したような話で。

*RNA干渉法:RNA interference、RNAiの訳。短いRNAを二本鎖の対にしたものがその配列を持つ遺伝子のRNAに対してだけ働きかけ、分解してしまう現象。ある特定の遺伝子の機能を抑える方法としては、他に影響を及ぼしにくいという点で医療面からも期待されている。

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