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ブログにおける議論について(3)〜Case study I〜

 牛歩の如く進む予定の(申し訳ない)本シリーズだが、イントロに入る前に、ブログ以前に主流であって、今もそれなりの需要があるメルマガについての例を示したい。

 といっても、某有料メルマガで過去に私が行った質問と、それに対する返事だけであるが。まずはやり取りを紹介したいと思うが、その前に前知識を。気鋭のジャーナリストであるこの方(*1)のメルマガで、オーダーシャツに関する質疑応答である。強調は例によって私。

 基本的には、全国どこでも、デパートの紳士服売り場や、街のテーラーでならシャツも作ってもらえるところが多いと思います。体によくフィットして、しかも長く使えますから長期的に見て値段も得で、しかも楽しい体験である可能性は高く、なおかつ日本に職人文化を残したいのなら、それは政治家や経済学者の課題ではなく、消費者個人個人がこのような店でオーダーするよりほかありません。
新「ガッキィファイター」第26号

 この記事に対して、私は以下の質問を投げかけた。
 私はシャツが好きなので、昨年1万円弱のオーダーを試みたりしました。あがって来たものは、確かにぴったりはしていましたが、それだけです。今最も着心地良く満足しているのは、セールで購入した吊るしのシャツ(*2)です。確かに袖丈等は長めですが、軽い着心地と、腕を動かした際のスムーズさは、下手なオーダーを遥かに越えています。結論としまして、オーダーもある面値段相応な部分があるのでは、と私は考えます。
 確かにオーダーは楽しい経験だと思います。ただ、吊るしを店で購入するのとは全く別のものではないかと思います。某イージーオーダーの店の方にスーツの直しを依頼した際に言われた言葉が、「一回目では着心地がいいのはできない。2、3着目からしっくりくると思いますよ。」です。勿論そのやり取りが楽しいのでやめられないところはありますが。
 後一点。長く使えます、と書いてありますが、シャツの耐久性に関しては、オーダーも吊るしもさほど差はないのではと考えます。実際ユニクロのシャツは、耐久性抜群です。日垣さんの購入ペースから想像するに、比較してへたるほど着ていないんじゃ無いかと思われるので。
それでは、失礼します。

 で、得られた回答がこれ。
 シャツを1着つくったくらいで、そういうことを言うのは、ちょっと早いんじゃないのかなあ。紳士のお洒落は、35歳を過ぎてから、ゆとりをもってやりましょう。わはは。
新「ガッキィファイター」第49号

 一着とは書いていなかったんだがな。当時の私はこのお答えに萎えて以後メールを出すことは無くなった。更に言うと、それ以前のメルマガでこのようなことも書かれていた。
 あのさ、7,000円も出せば作れるので、未体験の方はぜひ一度、ワイシャツをオーダーメードしてみてください。からだにシャツがぴったり合う、というのはとても快適で大切なことだと思います。その際、一着だけでもダブルカフにしてもらい、袖口を折り曲げてカフリンクスで留めてみては、いかがでしょう。
新「ガッキィファイター」第21号

 これを読んだ時、一度試せば分かるかのような表現と捉えたので敢えてメールを出したんだがな。

 やり取りの内容については一例なのでさておき、本題に添ったいくつかのポイントを示してみたい。

1)私のメールがメルマガに掲載されることについての承諾や案内文は一切無かった
2)両者のやり取りを全文伺い知ることが可能なのは私と発行者のみ
3)-a 非購読者が引用を行おうとしても著作権の壁に当たってしまう
3)-b 非購読者が引用を行う為には発行者にコンタクトをとる必要がある

 1)はまあ、こう云う意見に私は賛同しているのもあってまあ良いことにする。埋め草に使われるだろうな、とある程度覚悟もしていたし。しかしながら2)、3)は問題である。やり取りや議論を後ほど第三者が閲覧、検証しようと試みた際に、クローズドシステムであるが故の困難さが立ちはだかる。これは客観性という点で重大な欠陥である。3)は会員制有料メルマガが総会屋雑誌と嘯かれる所以でもある。今回の例は、たまたま私が正規購読者且つ質問者であったことより提示が可能となったわけだから。

 以上のことから、有料メルマガは議論ベースとしての適性は低いものと結論付ける。他の手段との比較はイントロで改めて述べる予定をしているが、本エントリではここまでに留めておく。


*1:私は彼のファンであるのだが、最近は色々とお茶目なことをやらかしている。公文書である議事録を有料メルマガで配信してみたり(どうでもいい)、大石英司氏と希薄な根拠でバトルしてみたり(継続中)、松沢呉一さんに噛み付いてあしらわれてみたり(必読)。お友達の勝Pの様に黙っておられるといいのになあ。どうせ口を開かれるのなら、私としては有料メルマガの読者数を逐次、正確に報告して頂きたかった。敢闘言—さらば偽善者たちで大本営発表を舌鋒鋭く批判されていた方だけに。ちぇ。
*2:ルイジ・ボレッリなるイタリアのシャツ。ただでさえ軽いシャツが羽のように軽く感じると云う衝撃的な体験をさせて頂いた。素晴らしいシャツである、特に値段が素晴らし過ぎ、ふざけんな。更に上質なシャツとして、アンナ・マトゥッツォと云うのがあるが、これは憧れで、軽くスーツが買えてしまうと云うある種の価格破壊。

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Comments

ルイジボレッリのシャツは買ったことないけど、格好いいですよね。

有名な人は無意識に特権意識をもってしまうように見受けられますね、このやり取りを読んでいると。「俺のほうが上」と勝手に思いこんでいて相手の言っていることをあまり考えない、と感じました。ちなみに百貨店でのシャツのオーダー何回かやったことありますが(お仕立て券を頂いたので)、はっきり言って着心地は最低。ただ単に体のサイズに合っている、というだけ。

それはそうと、Giraudさんや馬車馬さんが最近書いているまんまの反応がそのエントリの直後にでてくるタイミングに大ウケしてる僕ですが、キチンとした議論をするのと同時に、「かわす」技術も身につけて欲しい/身につけたいですね。2chあたりで鍛えられるといいと思う人が多いですね。真面目すぎてちょっとした「ツッコミ」にも「傷害事件だ!」と騒いでしまうようです。

Posted by: night_in_tunisia | November 02, 2004 at 03:59 PM

ああ、シャツへの反応が一番嬉しかったり。縫製は少しざつでも格好いいのが。また衿の形とかも。

日垣さんは(も、だな)、ある意味芸風ですから。

議論はある面で、楽しむところが無いと厳しいとおもうんですよね。相反する概念を示された途端に反射で返されても。何か、真面目過ぎる方が多い印象が。そのコメントを書く前に深呼吸でもすればいいんじゃないかと思ったりしてます。

Posted by: Giraud | November 02, 2004 at 07:19 PM

せっかくのブログなんだから、脊髄反射で書き込む前に、他にどんなこと言っているのかを読んでから考えてくれたらいいのに、と思います。その人の「人となり」がわかるのがブログの良さなんでね。そういう人から見ると、僕の木村ブログへのTBは脊髄反射に見えてしまうんでしょうけど。

イタリアの仕立屋の言葉に"cucina dolce"というのがあります。「やさしく縫え」という意味ですが、もう少し深いニュアンスがあるようです。日本の縫製の方が遥かに丁寧ですけど、イタリアの仕立物は長年使うとその縫製の(雑なところもあるけど)良さがわかるようになります。動きに追従するかんじがする、と言えばよいでしょうか。

Posted by: night_in_tunisia | November 03, 2004 at 01:07 PM

 ブログに慣れてないんでしょうね、という建前は置いといて、実際の所、あんまり考えたく無いんじゃないか、と見える節もあります。馬車馬さんのエントリにもあったように、過程をすっ飛ばして結論を求める人が多いみたいですし。それだったら自分の耳に心地よい意見に乗っかるのもむべなるかなと。

 Dolceっすか。わざと甘くして「遊び」を持たせておくわけですね。職人の世界は何かにつけ奥が深いなあと思います。

Posted by: Giraud | November 03, 2004 at 04:35 PM

日垣とのやり取り読ませていただきました。
オーダーシャツ=おしゃれ
という固定観念から離れられないのでしょう、日垣は。
背広だって、オーダーよりヨーカドーの一万円スーツのほうが人によって、体形によってはいい場合だってあります。
標準体型の私はこのタイプです。
長野県庁で見かけたことがありますが、日垣は小柄で標準体型ではないと思います。
日垣にとって、オーダーシャツはグリーン車と同じ自分の見栄の小道具なのでしょう。
ちなみに私はユニクロのシャツはLLとLの中間がいいようで、サイズ的にはしっくり来ません。長野県千曲市に本社を置くフレックスシャツが安いのにピッタリ来ます。

Posted by: 追撃メルマガ発行人 | November 06, 2004 at 01:47 PM

追撃メルマガ発行人さん、コメントありがとうございます。

 おっしゃられるように、服とかは、値段よりも体型に合っているのが一番だと思います。

 おしゃれの感覚は個人的なものが大いにあるのでまあ、この場合どうでも良いんですけど。私も人から見られてどうか分かりませんし。あと体型も。少しやせ過ぎで服探しに手こずることがありますので。そこらへんには触れない方が、議論の相手に対して隙を作らないという意味で良いのでは、と考えますが。

 私としましては、やはり文章の一貫性を保って欲しいというのが一番なんですよね。

Posted by: Giraud | November 06, 2004 at 03:02 PM

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