[書評以前] ニッポン経営者列伝 嗚呼、香ばしき人々
現代の吉田兼好が書き記す人物評。ちなみに著者をやんちゃさで捉えるならドグラ星の第一王子。
この著者の立ち位置が普通有り得ない。
本書では、私の得意とする市場から見た企業、経営者の評価を基準に、もし私の上司がこの経営者だったらという視点から、多くの起業家、経営者を取り上げている。
その属性を備えた方はそう居ませんて。この多面的かつ独自の視座から繰り出される軽妙な月旦評。お好きな人には堪らない。取り上げられた人も堪らない。お陰で単行本化の際に削られたものがあるらしい。全然分からないが。そして文章をもり立てる金子ナンペイ氏の肖像画。まさにシナジィィィィィッ!
気を鎮め、すこし抜粋。ファーストリテイリング会長の件。
歴戦の勇者である糸井重里氏の破壊的なヨイショパワーには抗いきれずに『個人的なユニクロ主義』(朝日出版社)なる見事なヨイショ本を出され、柳井氏の密着取材を通して糸井重里氏がいかにしてユニクロの新規事業プロモーション利権を手中に収めたかが克明に記載されています。今すぐ古本屋へ急げ。只今アマゾンで269円で御座います。強調は例の如く私の手に拠るもの故あしからず。全く関係無い話だけど、金持ちになると文化ゴロがたかってくるらしいです。元コピーライターとか元作曲家とかが。大変ですね。
さて、何故私が著者を吉田兼好になぞらえるか。隠居と自称しているのもあるが、生活基盤の類似性とそのスタンス。荘園生活者と(投資による)資産家。直接手綱を持たれているものが無い故の言行の一貫性。吉田兼好もラブレターの代筆をしてたとか云うし。それはゴーストといふものでわ。こちらを読んでさらにその思いは強まる。
気質的には信長っぽいらしい。どちらかと云えば徹底加減が足利義教でルックスが光秀かと。まあ性格が信長だったら全部そうなると云うわけではないからね。小人閑居して不善を成すと謂うが、この大人のやんちゃ加減を見るに、頭が閑居して遊びまくってるようだ。その生活でまだ上のギアがあるのかよ。
で、ここからは極めて私的な希望になるのだが、是非見てみたい組み合わせがある。もう一人存在する在野の賢人とガチな対談を。我が尊敬する超絶の才人である明石先生。明石先生は信長も義教も大好きらしいですし。互いにトップスピード近くで会話できるかと。幸い、両者共に共通の知人であるKQZ師がいらっしゃるようなので、その方を介して是非対談を。懸念としては誰も付いていけない可能性とオープンにできない話ばかりになる可能性か。
追記:隊長がミス慶應コンテストでサラ女史をプッシュされてるが、この本に書いてある様に思い入れ強く投資した場合、凄い勢いの損失を上げている所をみると、コンテストの件も禿しく外しそう。
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