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人を笑わば

 我が身に降ってくると。

 高校2年の二月、周りで水ぼうそうが流行り始める。親より罹患済みと聞いていた私は、凄い勢いで罹った人間を笑いとぼしていた。何を言ったかなど記憶の欠片のなかにも残っていないが、散々大笑いをしたことだけは記憶にある。うーん、人間らしい言行だ。我ながら香ばしい。

 そして十日ほど後。

 私は一旦引いた風邪がぶり返したようで、忸怩たる思いで学校を休み、家で寝ていた。それまで無遅刻無欠席で皆勤出席をしていただけに。唯一の取り柄だったんだよ。早く治す為に寝て、トイレに行こうとして洗面台の前を通ったその時、


鏡の中にぶつぶつだらけの工房。
誰こいつ、きたねー顔。

 一瞬の後、それが自分だと理解した瞬間に思わず悲鳴が。何故私が。かかるはずの無い二回めの水ぼうそうに自分が罹った事実、自分で自分が認識できなかった事実等に打ちのめされ再度フテ寝。更に悪化。全身一面之水疱瘡。フサフサの頭皮は言うに及ばず言えない部分の余計な皮とその内側迄。おもしれー。

 一晩寝て症状は最悪のながらも落ち着いた私はかかりつけの医者へ。プチカフカ状態だな、などとつまらぬ考えを浮かべつつ、先生と談笑。この前の風邪も水ぼうそうにしてもらい、皆勤出席をキープしておく。ビバ法定伝染病。

 担任が来い来いと煩いので顔に薬を塗りたくった状態で面を見せるとその場で暫く来なくていい、ゆっくり休んでろとおっしゃる。なら呼ぶなよ。結局、十日程休んで学年末テストも受けること能わず、見込み点で進級。いや年をとって罹ると症状の重いこと。こんなところだけ正確でどうする。

 いい経験になりました、なんて思わねえよ。ふざけんな水ぼうそう。ただ大笑いがまずかったのかも、と賢明にも学習した私は、以後、それだけは止めることに致しました。今は細かく笑うという立派な大人になっております。

 はしかと風疹の予防接種を2回実施することになったとの記事で思い出した話。できればそこに水ぼうそうを加えてやってくれ。私からのリクエスト。まあ三度も罹ることは無いだろうから、どっちでもいいや。

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